2011年8月27日土曜日

風をたべる生き物

(よ)です

まずはこれをごらんください


いかす…

まるで意思を持って歩いているかのような彼らは
オランダ語で「ストランドビースト」
砂浜の生命体。
オランダの海岸で
科学者で芸術家のテオ・ヤンセンによって生み出された生き物です。

以前ネットで見て
「なんと!!」と心を奪われて以来
いつか機会があったらみてみたいなぁと思っていました

そのストランドビーストが
大分市立美術館にやってきています。
これは行かねば!














やはり砂浜を歩いているストランドビーストに比べると
イキイキ感はかなわないのですが
一時間に一回、実際に歩くデモンストレーションもあってます


「どうやって動いているんだろう?」
という仕組みについては
うっすらと理解できました。(うっすらね…)
本当にこういうことを考える人の熱情はすごい
脚が動くための黄金比率を見つけ出していくところなんて
スリリングだ

ただ解けない謎は
「なんで作ろうと思ったんだろう?」
ということ。
登山家は山があるから登るらしいので
そんなこと考えるだけ野暮なのかもしれないけれど。

展示の意匠も、シンプルだけど心がこもっています。
わたしは、この壁にずっと綴られるテオ・ヤンセンの言葉に
超惹かれてしまいました。














綴られるのは、科学者の分析と、造物主の愛情。
ディズニーのアニメ、バンビの脚の動きの科学的なことを感嘆してみたり、
たまにダッシュするまでになったストランドビースト達を自慢してみたり、
自分が彼らに対して、冷酷に神たる決断を下すこともあると告白してみたり。

あんまり言葉がステキなので
図録を買って読みふけってしまいました。
するとそこに、
さきほどの「なぜ?」の答えの片鱗がありました。


私は全てをプラスチックチューブでつくりたいと思った。
私たちが知っている自然の多くがたんぱく質でできているように、
自分の生命体を単一の物質でつくりたいので。
(中略)
私がとった作戦は、エンジニアのそれとは正反対であった。
工科大学のエンジニアは、自分の意志によって
浜辺を動くことができる何かをつくれと言われたら
どうするだろうか。
命をかけてでも言えるのは、3か月以内に完了させ、
また、センサ、カメラ、光電池などで武装したステンレススチールの
ロボットのような機械をつくり上げるはずだ。

20年にわたって徐々に進化してきた、テオ・ヤンセンのストランドビーストは
プラスチックチューブの体しか持たないのに
岩にぶつかれば回避し、水に触れれば方向を転換する。
強すぎる風には、自らを固定して風の影響を最小限にできる個体だっているのだ。

今年60数歳になるテオ・ヤンセンの望みは
彼らが人の手を借りずに
オランダの砂浜で生きていくこと。
そうすれば安心して死ぬことができると話します。
ほんと、なんて実際家でロマンチックなじいさんなんだろう!

4 件のコメント:

  1. チュンたろう2011年8月30日 8:58

    なんかで見たことあるけど…。

    改めてみるとすごいね。

    なんというか…砂漠で出会ったら恐ろしい気がする(/´△`\)知らずに。

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  2. いちばん近いと思ったのは、ナウシカのオウム。
    でも可愛げがあったよ

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  3. すごい、
    あの映像見て、
    わたしも、仕事ではなく超プライベートな何かを作ってみたい!という衝動に。

    すごいな~

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  4. ねー、なんというか、わたしは胸がいっぱいになりました。心から作ったものは、結果的に人の心を打ちますね。

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